地盤調査とは?費用や方法について解説

公開日: 2024/11/21
地盤調査費用

地盤は建物の安全性を守るために重要なものであり、一部例外を除き、建築基準法によって建築物を建てる際は実施が義務化されています。しかし、ひとえに地盤調査といっても複数の方法があり、特徴や費用が異なります。そこで今回は、地盤調査とはどういった調査なのかに加え、地盤調査の種類や特徴について解説します。さらに、地盤調査にかかる費用の目安についてもあわせて見ていきましょう。

地盤調査とは?

地盤調査とは、建物を建てる際に土地の地盤がどのような状態にあるかを調べる作業のことを指します。地盤が建物の重さに耐えられるか、どの程度の強度があるかを確認することで、建物の安全性や耐震性を確保することを目的としています。

地盤が弱いところに建物を建てると、将来的に建物が傾いたり、地震の際に崩壊したりするリスクが高まるため、地盤調査は非常に重要なステップです。

地盤調査が必要な理由

新築で家を建てるときに、地盤調査という項目が見積書に記載されており「本当に必要なの?」と疑問をもっている方も多いでしょう。しかし、地盤調査は家を建てるときに欠かせない工程の一つであり、必要性について理解しておくことが大切です

地盤調査が必要な理由は複数ありますが、建築基準法で義務化されていることが理由のひとつです。

建物を建てる際、建築基準法によって地盤調査を実施することが義務化されており、そもそも実施しなければ建物を建てることができません。地盤調査を行わなければ、着工許可がおりなかったり、建築許可証を取得できなかったりするほか、工事停止命令が入る可能性もあります。

さらに、地盤調査を実施せず軟弱な地盤の上に建物を立ててしまうと、地盤が建物の重さに耐えられずに建物が沈下する、傾くといった問題を引き起こします。また、弱い地盤の上に建物を建てると、地震が発生したときに建物が倒壊したり、損傷したりするリスクも高まります。

つまり、地盤調査は建築基準法で実施が義務化されているから必要であることに加え、建物の安全性・耐久性を確保するためにも必要不可欠な工程なのです。

地盤調査の3つの方法

地盤調査は「SWS試験」「平板載荷試験」「ボーリング調査」の3つの方法に大別できます。それぞれ方法や特徴が異なるため、詳しく見ていきましょう。

SWS試験

SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)は、一戸建ての地盤調査でもっとも主流の方法です。SWS試験では、標準貫入試験で得られる強度の指標であるN値に対応する「換算N値」を算出し、地盤の支持力を確認します。

ほかの方法と比較して調査時間が短いことが特徴であり、手動式や半自動式、全自動式など、複数の機器が選べるため、調査する地盤の状況に応じて機器を選択できることもポイントです。

ただし、SWS試験は土質サンプルを採取できない、地盤が固すぎる場合や深さが10メートル以上になると、貫入がむずかしくなって精度が低下するなどの注意点もあります。

平板載荷試験

平板載荷試験は、地盤の表面に建物重量に相当する荷重を直接かけ、沈下量を測定することで地盤の支持力を評価する方法です。地盤の支持力や沈下量を直接確認できるため、信頼性の高いデータを得られるのが特徴であり、道路やプレハブ建築物などを建てるときに用いられます。

平板載荷試験では、平らに整地された地盤に載荷板を設置し、ジャッキや重機などで荷重をかけて沈下量を測定します。ただし、平板載荷試験は深い地層の調査には適しておらず、調査できる範囲が浅い層に限られる点が課題です。

また、試験には専用の機材や設置スペースが必要なため、費用や作業手間がかかりやすいというデメリットもあります。

ボーリング調査

ボーリング調査は、マンションなどの大規模な建物を建設するときに用いられる方法です。

地面にドリルで穴を掘りながら地層構成や土質を調べる方法であり、地層の強度を示すN値や砂質土、粘土の分布、支持層の深度を把握できるため、建物の安全性や安定性を詳細に評価することができます

また、液状化リスクの判定や土壌汚染の調査にも用いられ、構造物の安全性を確保するためのさまざまな情報を得られます。ただし、ボーリング調査を実施するにはおよそ5平方メートルの作業スペースが必要です。さらに、高さ5メートル程度のやぐらを設置して掘削するため、充分な広さを確保しなければなりません。

作業には1日から数日を要するため、調査コストも比較的高めです。そのため、ボーリング調査は敷地が広く、規模の大きな建物の建設を予定している場合に適した方法といえるでしょう。

地盤調査にかかる費用の目安

地盤調査にかかる費用の目安は調査方法によって異なります。

住宅地の地盤調査で用いられることの多いスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)の場合、費用の目安は約5万円です

SWS試験では、建物の四隅と中心がくる場所の計5箇所のみを計測することから短時間で調査できることもあり、リーズナブルな価格で地盤の状態を確認できます。

平板載荷試験は地盤に直接力を加えて強さを計測するため信頼性が高いですが、SWS試験よりもやや調査費用が高く、10万円程度が相場です。

もっとも費用が高いのはボーリング調査であり、25~30万円程度かかります。

ボーリング調査は、地層や土質を深部まで確認できるため、構造物に適した支持力をしっかり把握することが可能ですが、大規模な調査となるため、費用相場が高くなっています

また、地盤調査の結果、建物の安定性を確保するために地盤改良が必要と判断されるケースも少なくありません。地盤改良工事が必要な場合、20坪程度の戸建てで少なくとも50〜100万円ほど追加で地盤工事費用がかかるでしょう。

地盤改良工事が必要かどうかは、実際に調査結果が出るまで判断できません。そのため、新築を建てるときなどは、調査費用とは別に地盤改良工事費用がかかることを想定して予算を確保しておくのがおすすめです。

地盤調査にかかる時間の目安

地盤調査にかかる時間についても、調査方法によって変わります。たとえば、SWS試験は調査時間2〜3時間程度であり、調査完了から簡易的な結果が出るまで半日から1日程度です。

平板載荷試験の場合、調査時間は4時間程度となっており、プレハブなどの簡易的な建物を建設するときに適しています

もっとも調査時間がかかりやすいボーリング調査は、1日から数日かかることが一般的です。ボーリング調査は深い層まで調査し、地質サンプルを採取するなどの工程が含まれるため、所要時間が長くなりやすい傾向にあります。

さらに、調査結果に基づいた正確な地盤調査報告書を作成するまでには、さらに数日間かかることが多く、計画的に実施する必要があります。マンションやアパートなど、大規模な建物を建設するときは、ボーリング調査を行うことが多いでしょう。

まとめ

今回は地盤調査の意味や地盤調査の種類について紹介しました。地盤調査には、SWS試験やボーリング調査、平板載荷試験など、さまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。また、地盤調査にかかる費用の目安は調査方法によって異なるものの、5~30万円程度かかることが一般的です。なお、地盤調査の結果、地盤改良工事が必要になるときは一般的な戸建て住宅の面積の場合、100万円ほどかかることも少なくありません。
これから、家づくりを検討している方や地盤調査とはどういったものか気になる方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

【東京】おすすめの地盤調査会社比較

イメージ
サービス名ビイック株式会社地盤ネット株式会社サムシングトラバースジャパンホームシールド株式会社ジオテック株式会社報国エンジニアリング株式会社
特徴他社地盤改良工事よりも地盤改良工事判定が少なくなる。住宅地盤の調査から解析・対策・補償までの一貫サービスを提供し、不適切な工事を未然に防いで建築主の安心を実現。生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造を目指している。測量・設計・地盤調査・地盤改良・擁壁のパイオニア。「ひとつひとつの地盤に、最適解を」この想いのもと、調査から品質保証まで、地盤にまつわるそれぞれの領域で独自のノウハウを発揮している。報告書に調査ポイントの高低差レベルを記載することで、地層の傾斜が正確に把握でき、設計段階で切土盛土の想定を容易にしている。地質調査をはじめ、水質調査、地盤改良工事、土壌汚染調査、建造物の基礎補強工事など、さまざまなニーズに対応できる体制を確立。
公式サイト公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら
詳細リンク詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら

おすすめ関連記事